臨床医は症状によって気管支喘息を定義している。発作性の喘鳴、咳、息切れ、胸部の圧迫感(時間により程度が変化し、気管支拡張薬にて改善する)などが気管支喘息を疑う所見としている。病理学者は組織学的に定義を行っており、好酸球の浸潤や気道壁の肥厚、リモデリングによって特徴づけられる持続性の炎症と喘鳴としている。一方、生理学者は機序によって定義を行っており、多くの異なる刺激に反応して、過剰な気管支平滑筋収縮を引き起こす気道過敏性の状態を気管支喘息と定めている。生理学的な定義のうち特に重要なのが、運動誘発性喘息や吸入アレルゲンによる喘息、アスピリン喘息である。上記、歴史の項に述べられているようにいずれの定義でも再発性の気道過敏性と慢性炎症といった病態生理学に統合されると考えられている。慢性期道炎症によって気道過敏症となり、増悪因子により気道狭窄がおこり喘息症状が起こるとされている。 喘息患者にβ1受容体選択性の高くないβブロッカーを用いる場合、重篤な気管支収縮が起こる可能性がある。やむをえずβブロッカーを用いる必要がある場合は呼吸機能改善率の測定などを行い、気道過敏性が存在しないことを確認してから行うべきである。
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2004年の試算で世界に3億人の喘息患者がおり、年間255,000人が喘息で死亡している。また喘息死の80%以上は低~中低所得国で発生しており、今後10年間で喘息死はさらに20%増えるだろうと予測されている。喘息の有症率は1~18%程度と国によって報告にばらつきがあるが、多少強引にまとめると先進国で5~10%程度、発展途上国では1~4%程度である。
日本では1996年の統計で喘息の累積有症率(現症と既往の合計)は乳幼児5.1%、小児6.4%、成人3.0%(16~30歳では6.2%)である。1960年代は小児、成人とも有症率は1%程度であったものが近年増加の傾向にあり、10年の経過で1.5~2倍程度増加している。